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Notion案件管理の始め方 — フリーランスが受注から入金まで漏れなく追跡する方法

この記事でわかること

  • フリーランスの案件管理にNotionが最適な理由
  • 受注→見積もり→進行管理→納品→請求→入金確認の全フロー設計
  • Notionデータベースのプロパティ設定とビュー構成の具体例
  • Trello・Asana・スプレッドシートとの比較と使い分け
  • テンプレート活用で構築時間を90%カットする方法

「今抱えている案件、全部で何件あるか即答できますか?」と聞かれて、一瞬でも考え込んだなら案件管理に問題がある。フリーランスを3年もやっていると、請求書を送り忘れて翌月まで気づかなかったとか、納品日を手帳に書き間違えてクライアントに詫びの連絡を入れたとか、笑えないミスが1つや2つは出てくる。

この記事では、そうした「管理の穴」をNotionで塞ぐ方法を解説します。ただデータベースの作り方を教えるだけじゃなく、フリーランスの案件が実際にたどる「受注→見積もり→進行管理→納品→請求→入金確認」という一連の流れに沿って、各フェーズで何をNotionに記録し、どうチェックすれば漏れが出ないかを具体的に書いていきます。

1. 案件管理が破綻するフリーランスの共通点

案件管理がうまくいかないフリーランスには、だいたい同じパターンがある。最初のうちは案件が少ないから頭の中で回せる。でも月に3件、4件と並行するようになると、途端に回らなくなる。

よくあるのがこんなケースだ。

情報の分散

案件情報がメール・チャット・メモアプリ・スプレッドシートに散らばっていて、「あのクライアントの要件どこに書いたっけ?」が日常化している。

ステータスの曖昧さ

「あの案件、納品したっけ? 請求書は?」が分からない。ステータスが頭の中にしかないから、確認のしようがない。

請求・入金の追跡漏れ

納品して安心してしまい、請求書の送付を忘れる。送ったとしても、入金されたかどうかを追跡していない。

共通しているのは、案件のライフサイクル全体を通して追跡する仕組みがないということ。個々の作業はこなせても、「受注から入金まで」を一本の線として管理できていない。

Notionが案件管理に向いているのは、まさにこの「一本の線」を作れるから。データベースのステータスプロパティで案件のフェーズを定義し、ビューを切り替えて「今どのフェーズに何件あるか」を俯瞰できる。タスクや請求情報もリレーションで紐づけられるから、案件ページを開けば関連情報が全部集まっている。

Notionの基本的なデータベース操作やテンプレート機能についてまだ不安がある方は、Notionテンプレートの作り方完全ガイドで基礎を押さえてからこの記事に戻ってくるとスムーズです。

2. 受注から入金までの6ステップを整理する

Notionを開く前に、まずフリーランスの案件が辿るフローを整理しておきましょう。ツールの構築に入る前に「何を管理したいのか」を明確にしておかないと、後から「あのプロパティ要らなかった」「このステータスが足りない」と手戻りが発生する。

フリーランスの案件管理で追跡すべきフローは、基本的にこの6ステップに集約されます。

1

案件受注

問い合わせ対応、ヒアリング、要件定義

2

見積もり

金額算出、見積書作成、条件交渉

3

進行管理

タスク分解、工数管理、進捗報告

4

納品

成果物提出、修正対応、検収完了

5

請求

請求書発行、送付、支払条件確認

6

入金確認

入金チェック、消込、完了処理

このフローを見て「当たり前じゃん」と思うかもしれない。でも実際に全ステップをシステム的に追跡しているフリーランスは少数派だ。特に4→5→6の「納品してからお金が入るまで」の管理が甘い人が多い。納品物の制作には集中力を注ぐのに、請求と入金確認は後回しにしがち。

Notionで案件管理データベースを作る際、この6ステップをそのままステータスの選択肢にします。すると、ボードビューで「今どのフェーズに案件が何件溜まっているか」が一目で分かるようになる。「請求」レーンに3件溜まっていれば、今日中に請求書を送らなきゃ、と気づける。

3. Notionで案件管理データベースを作る(プロパティ設計)

ここからは実際にNotionで手を動かしていきます。新しいページを作成して「案件管理」と名前をつけ、「/database」と入力してフルページデータベースを作成してください。

コアプロパティの設計

以下のプロパティを設定します。一度に全部作ろうとすると疲れるので、まず太字のプロパティだけ設定して、残りは使いながら追加していくのが現実的です。

プロパティ名 タイプ 設定・用途
案件名 タイトル 「クライアント名 + 案件内容」で統一。例:「ABC社 コーポレートサイトリニューアル」
ステータス セレクト 「商談中」「見積提出」「受注・作業中」「納品済」「請求済」「入金済」の6段階
クライアント セレクト リピーターの傾向を把握できる。色分けで視認性アップ
受注金額(税抜) 数値 必ず税抜で統一する。インボイス対応で税計算が必要になるため
見積提出日 日付 見積もりの有効期限管理に使う。1ヶ月以上返答がないものを検出
納期 日付 カレンダービューでスケジュールを俯瞰。残り日数の数式も追加できる
カテゴリ マルチセレクト 「Web制作」「デザイン」「ライティング」「コンサル」「開発」など
請求日 日付 請求書送付日。入金確認のタイマー起点になる重要プロパティ
入金予定日 日付 支払サイト(末締め翌月末払い等)から算出。キャッシュフロー管理に必須
入金確認日 日付 実際に入金された日。これが入って初めて案件完了
紹介元 セレクト 「直接問い合わせ」「紹介」「クラウドソーシング」「SNS」等。営業チャネルの分析に使う
メモ テキスト 要件の補足、連絡先、契約条件の特記事項

ステータスの色分けにはルールを持たせる

Notionのセレクトプロパティには色を設定できます。ここで適当に色を振ると後で見づらくなるので、フェーズの意味に合わせたルールを決めておくのがコツです。

  • 商談中 — グレー。まだ確定していない案件
  • 見積提出 — イエロー。返答待ち、注意が必要な状態
  • 受注・作業中 — ブルー。アクティブに手を動かしている状態
  • 納品済 — パープル。作業は終わったが、お金の処理が残っている
  • 請求済 — オレンジ。入金待ち。最も注意すべきフェーズ
  • 入金済 — グリーン。完了。安心してアーカイブできる状態

この色分けにしておくと、ボードビューで一瞬で「オレンジが3つある=入金待ちが3件=来月のキャッシュフロー要確認」と判断できる。色は情報の圧縮手段だと思って、意味のある配色にしましょう。

ビューの初期設定(3つ作る)

ボードビュー — 「パイプライン」

ステータスでグルーピング。日常のメインビュー。案件カードをドラッグするだけでステータスを変更できるので、朝の確認作業が5秒で終わる。

テーブルビュー — 「売上一覧」

受注金額の合計をフッターで確認。月末の売上確認や、確定申告前の集計に使う。日付でフィルターを切り替えて月別表示。

カレンダービュー — 「納期マップ」

納期プロパティで表示。今月と来月のスケジュールを俯瞰して、新規案件を受けるキャパシティがあるか判断する。

4. 見積もり・契約フェーズの管理方法

案件は問い合わせから始まる。この段階でNotionに登録するかどうか迷う人がいるけど、問い合わせが来た時点で即登録するのが正解。ステータスは「商談中」にして、案件名は仮でいい。後から正式名称に変えればいいだけの話。

この「即登録」の習慣がないと、商談が並行した時に「あの見積もり、結局送ったっけ?」になる。Notionに登録してステータスを「商談中」にした時点で、それがToDoリストになる。

案件ページの本文をヒアリングシートにする

案件管理DBのページ本文には、自由にテキストやブロックを入れられます。ここをヒアリングシートとして活用すると、見積もりの精度が上がります。Notionのデータベーステンプレート機能で、新規案件作成時に以下の項目が自動挿入されるようにしておくと便利です。

案件ページテンプレート例

## ヒアリングメモ
- 依頼内容:
- 希望納期:
- 予算感:
- 参考サイト/資料:
- 決裁者:
- 連絡手段(Slack/メール/ChatWork):

## 見積もり内訳
| 項目 | 工数(h) | 単価 | 小計 |
|------|---------|------|------|
|      |         |      |      |

## やり取りログ
- YYYY/MM/DD:(内容をメモ)

テンプレートの作り方や設計のコツについてはNotionテンプレートの作り方完全ガイドで詳しく解説しています。

見積もりの有効期限を数式で管理する

見積書を送って返事がないまま1ヶ月が経つ、というのはフリーランスあるあるだ。これを放置すると、忘れた頃に「あの見積もりの件で」と連絡が来て、すでに他の案件で埋まっている状態に困ることになる。

Notionの数式プロパティを使えば、見積提出日からの経過日数を自動計算できます。

数式プロパティ「経過日数」の例

if(prop("ステータス") == "見積提出", dateBetween(now(), prop("見積提出日"), "days"), 0)

この数式を設定しておくと、テーブルビューで「経過日数」でソートしたときに、返答待ちが長い案件が上に来る。14日を超えたらフォローメールを送る、30日を超えたら失注扱いにする、といったルールを自分の中で決めておけば、商談のパイプラインが健全に回る。

経験則:見積もりを出して2週間返事がない場合は、遠慮せずにフォローを入れたほうがいい。先方が忙しくて忘れているだけのケースが半分以上。逆に、フォローしても反応がなければ優先度を下げて次の営業に注力するべき。この判断を感覚でやるのではなく、数式で可視化するのがポイント。

5. 進行管理 — タスク分解とカンバン運用

受注が決まったら「受注・作業中」にステータスを変更し、ここからは進行管理フェーズに入ります。案件管理DBとは別にタスク管理DBを作り、リレーションで案件に紐づける構成がベストです。

案件管理DBの中にタスクを書き込む方法もあるけど、それだと複数案件のタスクを横断的に見られない。「今日やるべきタスク」を全案件から抽出したいなら、独立したタスクDBが必要です。この辺りのDB設計の詳細はフリーランスのNotion活用完全ガイドで詳しく解説しているので、ここでは案件管理の視点からのポイントだけ書きます。

タスク分解のコツ — 「動詞+成果物」で書く

タスク名を「デザイン」「コーディング」のような名詞だけで書いている人が多いけど、これだと「いつ終わったのか」が曖昧になる。「トップページのデザインカンプをFigmaで作成する」「レスポンシブのブレイクポイントを3パターン実装する」のように、動詞+具体的な成果物で書くのが鉄則。

こうすれば「カンプが完成してクライアントに提出したら完了」「3パターンが動作確認できたら完了」と、完了条件が明確になる。

リレーションで案件とタスクを接続する

タスク管理DBに「案件」というリレーションプロパティを追加し、案件管理DBに接続します。これで各タスクが「どの案件に属するか」が明示される。案件管理DB側にも逆リレーションが自動で追加されるので、案件ページを開くだけで紐づいたタスク一覧が表示されます。

ロールアップで進捗を自動計算

  • タスク完了率:タスク管理DBのステータスから「完了」の割合を算出。案件の進捗が数値で見える
  • 残タスク数:「完了でない」タスクの数をカウント。ゼロになったら納品準備
  • 合計作業時間:各タスクの実績時間を合計。時間単価の把握に必須

ロールアップの設定が終わると、案件管理のテーブルビューに「完了率 75%」「残タスク 3件」「合計 28時間」のような情報が並ぶ。別のページに飛ばなくても案件の状態が一目で分かる。これがNotionのリレーション+ロールアップの強みです。

6. 納品・請求・入金確認を漏れなく回す仕組み

フリーランスの案件管理で最も大事なのは、実はこのフェーズ。作業が終わって納品すると達成感があるから、つい気が緩む。でも納品はゴールじゃない。入金がゴールだ。

納品後の3ステップを自動化する

  1. 1

    納品 → ステータスを「納品済」に変更。納品日をメモに記録。検収期間がある場合は、検収完了日をリマインダーに設定する。

  2. 2

    検収完了 → 請求書を送付し、ステータスを「請求済」に変更。「請求日」プロパティに今日の日付を入力。同時に「入金予定日」を支払サイトから計算して入力する。

  3. 3

    入金確認 → 銀行口座を確認し、入金を確認したら「入金確認日」を入力してステータスを「入金済」に変更。これで案件クローズ。

「入金待ちリスト」ビューを必ず作る

案件管理DBに、もう1つビューを追加してください。名前は「入金待ち」。フィルターは「ステータスが請求済」。これだけ。

このビューを毎週月曜に確認する習慣をつければ、入金漏れは100%なくなります。入金予定日を過ぎているのに入金がない案件があれば、すぐにクライアントに確認の連絡を入れる。遠慮する必要はない。請求書を送っているのだから、期日を過ぎた確認は正当な行為だ。

数式プロパティ「入金遅延日数」の例

if(and(prop("ステータス") == "請求済", prop("入金予定日") < now()), dateBetween(now(), prop("入金予定日"), "days"), 0)

この数式を設定すれば、入金予定日を過ぎた案件に自動で遅延日数が表示される。テーブルビューでこの列をソートすれば、対応すべき案件が上に来る。

請求書ツールとの連携:freeeやマネーフォワードで請求書を発行している場合、請求番号をNotionのメモ欄に記録しておくと、会計ソフト側との突合がスムーズになる。Notion APIを活用すれば請求データの自動連携も可能です。

7. 案件管理ツール比較 — Notion vs Trello vs Asana vs スプレッドシート

「Notionじゃなくてもいいのでは?」という疑問はもっともです。実際、Trello、Asana、Googleスプレッドシートでも案件管理はできる。ただし、フリーランスの案件管理という文脈で比較すると、それぞれに明確な得手不得手があります。

比較項目 Notion Trello Asana スプレッドシート
カンバン表示 対応 得意(本業) 対応 非対応
テーブル集計 対応(フッター合計) 非対応 限定的 得意(本業)
DB間リレーション 対応 非対応 限定的 VLOOKUP等で可能
ドキュメント管理 得意(ページ本文) カードの説明欄のみ タスクの説明欄 不向き
無料プランの制限 ほぼ無制限 ボード10枚まで 15人まで 無料
API連携 対応 対応 対応 GAS連携
フリーランス案件管理の総合力 最適 進行管理のみなら良い チーム向き 数値管理のみなら良い

Trello — シンプルだが「お金の管理」ができない

Trelloのカンバンは直感的で素晴らしい。案件カードをドラッグ&ドロップでステータス変更できるUXは、Notionより洗練されている部分もある。でも致命的な弱点がある。金額の集計ができない。カードにカスタムフィールドで金額を入れることはできるけど、合計を出す機能がない。フリーランスの案件管理で「今月の売上合計」が分からないのは痛い。

Asana — チーム向けでフリーランスにはオーバースペック

Asanaはプロジェクト管理ツールとしてはトップクラスの機能を持っている。でもフリーランスの個人利用には機能が多すぎる。チームのタスク割り振りやワークロード管理が主な強みなので、一人で使うには持て余す。また、案件に紐づく見積もりや請求情報をまとめて管理する構造にはなっていない。

Googleスプレッドシート — 数値管理はできるがワークフローが弱い

スプレッドシートは数値の集計と分析では最強。SUM、VLOOKUP、ピボットテーブルを使えば、売上分析は何でもできる。でもカンバン表示がないから日常のステータス管理がしんどい。セルをポチポチ変更するのは、カードのドラッグ&ドロップに比べると圧倒的に面倒。あと、案件ごとのメモやヒアリング内容をスプレッドシートのセルに詰め込むのは無理がある。

結局のところ、「カンバンもテーブルもドキュメントも全部1つのツールでやりたい」というフリーランスの要求に応えられるのがNotionだけ、というのが現実です。他のツールが劣っているわけじゃなく、Notionが「何でもできるスイスアーミーナイフ」なので、ツールを一本化したいフリーランスとの相性が抜群にいい。

8. テンプレートを使って構築時間を90%カットする

ここまで読んで「理屈は分かったけど、プロパティの設定とかビューの作成とか、結構面倒だな」と思った人もいるはず。正直に言うと、その感覚は正しい。

Notionの案件管理システムをゼロから構築すると、プロパティの設計、ビューの設定、リレーションの接続、ロールアップの追加、ダッシュボードの構築まで含めて、慣れている人でも2〜3時間はかかる。Notionに不慣れな人なら半日がかりだ。

これを解決するのがテンプレート。すでに設計済みのデータベースをインポートすれば、プロパティもビューもリレーションも最初から設定された状態で使い始められる。構築の手間をスキップして、即座に「運用」フェーズに入れる。

ゼロから構築する場合

  • - プロパティ設計に悩む(30分〜)
  • - ビュー設定を試行錯誤(30分〜)
  • - リレーション・ロールアップの設定(30分〜)
  • - ダッシュボード構築(30分〜)
  • - 合計:2〜5時間

テンプレートを使う場合

  • - CSVインポート(5分)
  • - サンプルデータで仕組みを理解(10分)
  • - 自分の案件データに置き換え(15分)
  • - カスタマイズ調整(必要に応じて)
  • - 合計:30分以内

自分で構築する過程に学びがあるのは確かだし、この記事の内容を実践すればゼロからでも作れる。ただ、「学ぶ時間より稼ぐ時間を増やしたい」というフリーランスにとっては、テンプレートで時短するのが合理的な選択肢です。

フリーランスOS — Notion案件・収支・タスク管理テンプレート

この記事で解説した案件管理のフロー(受注→見積もり→進行→納品→請求→入金)をそのまま実装したNotionテンプレートです。案件管理・タスク管理・収支管理の3つのデータベースがリレーションで接続された状態で、サンプルデータ入りですぐに使い始められます。

  • - 案件管理DB(6段階ステータス+ビュー3種)
  • - タスク管理DB(カンバン+カレンダービュー)
  • - 収支管理DB(勘定科目付き+月別集計)
  • - ダッシュボード構成ガイド付き(¥1,980)

9. 実践ワークフロー — 案件が入ったら最初にやること

ここまでの設計を踏まえて、実際に新しい案件が入ったときの具体的なワークフローを時系列で書きます。頭の中のプロセスをNotionの操作に落とし込むとこうなります。

Day 0:問い合わせ受信

  1. 1.案件管理DBに新規エントリを作成。ステータスは「商談中」
  2. 2.案件名は「クライアント名 + 案件概要」で仮登録
  3. 3.ページ本文のテンプレートに沿ってヒアリング内容を記録
  4. 4.紹介元プロパティを設定(どこから来た案件か記録)

Day 1-3:見積もり作成・提出

  1. 1.ヒアリング内容をもとに工数を見積もり、ページ本文の見積もり内訳に記入
  2. 2.受注金額(税抜)プロパティに金額を入力
  3. 3.見積書を作成して送付
  4. 4.見積提出日を入力し、ステータスを「見積提出」に変更

受注確定後:作業開始

  1. 1.ステータスを「受注・作業中」に変更
  2. 2.納期プロパティに納品日を入力
  3. 3.タスク管理DBに作業タスクを分解して登録(案件リレーション設定)
  4. 4.各タスクの期限を納期から逆算して設定

納品 → 請求 → 入金確認

  1. 1.全タスク完了 → 成果物を納品 → ステータスを「納品済」に変更
  2. 2.検収完了 → 請求書を送付 → ステータスを「請求済」、請求日を入力
  3. 3.支払サイトから入金予定日を計算して入力
  4. 4.入金確認 → 入金確認日を入力 → ステータスを「入金済」

この一連のフローを1回やってしまえば、2件目以降は体に染み込む。ステータスを変えるのは2秒、プロパティの入力は30秒。1案件あたりの管理コストは、全工程合わせても1日5分以下に収まるはず。

10. 運用3ヶ月目以降のカスタマイズTips

最初の1〜2ヶ月はベーシックな構成で十分。データが溜まってきたら、以下のカスタマイズを検討してみてください。

Tip 1:クライアント別の売上分析ビュー

案件管理DBに「クライアント別売上」というテーブルビューを追加し、クライアントプロパティでグルーピングする。すると、どのクライアントからいくら売上が立っているかが一目瞭然。特定のクライアントに依存しすぎていないか、リピート率はどうかが分かります。

売上データが充実してきたら、無料のAIツールを使ってデータの傾向分析をかけるのも面白い。CSVエクスポートしてAIに食わせれば、「この半年で単価が下がっている」「特定カテゴリの案件が増えている」といったインサイトが出てきます。

Tip 2:時間単価の可視化

タスク管理DBで実績時間を記録しているなら、案件管理DBにロールアップで「合計作業時間」を引っ張ってきて、数式プロパティで時間単価を自動算出しましょう。

数式プロパティ「時間単価」の例

if(prop("合計作業時間") > 0, round(prop("受注金額(税抜)") / prop("合計作業時間")), 0)

これで「15万円の案件に60時間かけた=時間単価2,500円」「8万円の案件に16時間=時間単価5,000円」が数字で見える。時間単価が低い案件パターンを特定して、見積もりの精度を上げたり、そもそも受けない判断をしたりできるようになります。

Tip 3:Notion APIで定型処理を自動化

案件数が増えてくると、「月末に全案件のステータスを一括チェック」「請求日から30日以上経った案件を抽出」といった定型処理が発生する。こういった処理はNotion APIをPythonから叩けば自動化できます。

Notion APIの基本的な使い方はNotion API自動化ガイドで詳しく解説しています。Pythonの基礎に不安がある方はPython自動化入門から始めるのがおすすめです。

Tip 4:年度末の振り返りダッシュボード

12月〜1月に、1年分のデータを使って振り返りを行いましょう。案件管理DBのテーブルビューで日付フィルターを「今年」に設定し、以下の数字を確認します。

  • 年間売上合計:受注金額の合計。前年比で成長しているか
  • 案件数:何件こなしたか。月平均を出して繁忙期と閑散期を特定
  • 平均時間単価:年間を通じて上がっているか下がっているか
  • 紹介元の分布:どのチャネルから案件が来ているか。来年注力すべきチャネルの判断材料
  • リピート率:既存クライアントからの案件比率。50%以上あれば安定している

このデータがあると確定申告の準備も格段に楽になる。Notionの収支管理DBと組み合わせれば、売上と経費の突合も簡単です。フリーランスのNotion活用完全ガイドで紹介した収支管理DBの構築方法と併せて活用してください。

Tip 5:開発ツールとの連携で効率アップ

Web制作やシステム開発の案件が多いフリーランスなら、開発ツールとNotionの併用も検討しましょう。2026年版 Web開発ツール15選で紹介しているようなToolPlexのJSON整形ツールやBase64変換ツールをブックマークしておけば、API連携の開発効率が上がります。

11. まとめ

フリーランスの案件管理をNotionで構築する方法を、受注から入金までの全フローに沿って解説しました。

  • 1. 案件のライフサイクル全体を追跡する仕組みが必要。受注→見積もり→進行→納品→請求→入金の6ステップをステータスで管理
  • 2. プロパティ設計は「お金の流れ」を中心に。請求日、入金予定日、入金確認日を入れることで、納品後の管理漏れを防止
  • 3. タスク管理DBとリレーションで接続し、案件ごとの進捗と作業時間をロールアップで自動集計
  • 4. 「入金待ちリスト」ビューを必ず作る。毎週チェックするだけで入金漏れがゼロになる
  • 5. Notion vs 他ツール:カンバン+テーブル集計+ドキュメント管理を1ツールで完結できるのはNotionだけ
  • 6. テンプレートで構築時間を90%カット。設計の手間をスキップしてすぐに運用を開始できる

フリーランスにとって、案件管理は地味だけど売上に直結する業務です。請求書1件の送り忘れは数万円〜数十万円の機会損失だし、入金確認を怠ればキャッシュフローが狂う。Notionで「漏れない仕組み」を作っておけば、そうしたリスクをほぼゼロにできる。

最初は完璧な構成を目指す必要はない。まずは案件管理DBを1つ作って、今抱えている案件を全部登録してみてください。ステータスを「商談中」から「入金済」まで動かしていくだけで、「次に何をすべきか」が自然と見えてきます。

構築に時間をかけたくない方は、テンプレートを使えば30分以内に全部揃います。やり方は分かっているのだから、あとは手を動かすだけです。

フリーランスOS — Notion案件・収支・タスク管理テンプレート

受注から入金まで6段階のステータス管理、タスク分解、収支追跡が設定済みのNotionテンプレート。サンプルデータ入りで、インポートしたその日から使えます。

  • - 案件管理DB(ステータス6段階+ビュー3種+数式プロパティ)
  • - タスク管理DB(リレーション設定済み+カンバンビュー)
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  • - セットアップガイド付き(¥1,980)